会社設立が大々的に変わるのは今回が初めて?
債務免除での論点は、金融機関において債権放棄損を税務上の損金として扱えるか否か、金融機関において債務者企業の責任の所在をどのように明らかにさせるか、など金融機関側が主である。
債務免除の会計処理としては、債務者企業の借入金を債務免除益(特別利益)に振り替える処理が行われるのみである。
(2)債務免除にかかわる税務処理:営業譲渡、合併および会社分割において発生する債務免除にかかわる税務については、第2節の「1営業譲渡」、「2合併」および「6分割」の項を参照されたい。
金利減免(1)金利減免にかかわる会計処理:金利減免は、債務者企業が、現状では借入金を返済するのが困難であるが、借入金利息の一部を免除すれば当該企業が再建可能であると金融機関が判断した場合に、債務者企業への金融支援として実行される。
金利減免の論点は、金融機関において減免金額を税務上の寄付金と認定されないか否か、金融機関において当該融資先に対する貸倒引当金が十分か否か、など金融機関側が主である。
金利減免の会計処理としては、債務者企業が金利を支払うという経済的行為に変わりはないため、仕訳において処理する科目は同一であり、その金額に変化がみられるのみである。
(2)金利減免にかかわる税務処理:債務者企業が金融機関から金利減免を受けた場合には、債務者企業は利息負担額が減少する。
このことは、欠損金額を減少または所得金額を増加することとなるから、債務者企業にとって税務上問題は生じないと考えられる。
(1)デット・エクイティ・スワップの会計処理:過剰債務の整理手法としてデット・エクイティ・スワップ(DES)の活用が近時多く用いられるようになっているが、その会計処理に関して平成14年10月に企業会計基準委員会より実務対応報告第6号として「デット・エクイティ・スワップの実行時における債権者側の会計処理に関する実務上の取扱い」が公表された。
当該報告においては、対象となるDESの範囲、取得した株式の会計処理や評価などに関する取扱いが示されているが、現時点においては、債権者が受け入れた株式の評価については引き続き検討を要するとされており、また、債務者側の処理については、特に触れられていない。
a債務者側の会計処理DESは、会社更生法の枠組みのなかで実施される場合と、私的整理で実施される場合に分けられる。
会社更生法の枠組みにおいては、新たな払込や現物出資をさせないで新株を発行させるものであり、会計処理としては、負債の減少額と資本の増加額は同額となり、資本取引以外の取引が生じないため損益も生じない。
以下、前提として、債権者は債権100を有し、債権の時価は20とした場合の仕訳例を示す。
一方、私的整理においては、DESが商法の現物出資の手続によることになるため、検査役の調査を受けなければならない。
また、新株の発行価格について債権の評価額による評価額説と、債権の券面額による券面額説があり、評価額説による処理を行えば債務免除益が債務者側で計上され、また評価をどのように行うか、という問題もあわせてDESを利用しずらい面があったが、近時券面額での現物出資を認める東京地裁民事8部での検討結果が公表され、以後は券面額説に従った処理が主流となっている(後述「(2)デット・エクイティ・スワップの税務」参照)。
b債権者側の会計処理企業会計基準委員会より公表された実務対応報告第6号では、対象とするDESを債務者が財務的に困難な場合に行われるDESとし、また、債権者が債権を債務者に現物出資した場合を想定している。
なお、第三者割当増資により実質的に金銭出資と債権の回収が一体性を有する場合も、現物出資と同様の処理をすべきとしている。
債権を現物出資した場合、債権と債務が同一の債務者に帰属し、当該債権は混同(民法520条参照)により消滅するため、金融資産の消滅の認識要件を満たす。
また、債権者が取得する株式は新たな資産の取得と捉えて取待暗の時価により受け入れ、消滅した債権の帳簿価格との差額を当期の損益として処理する。
したがって、企業会計基準委員会による案では、券面額説が法律的に認められるものとされる場合でも、評価額説に立った処理が要請されていると考えられる。
なお、消滅した債権の帳簿価格は、償却原価から貸倒引当金を控除した後の金額をいう。
DESにより取得する株式の「時価」については、取得した株式に市場価格がある場合は「市場価格に基づく価格」とし、それ以外の市場価格がない場合は「合理的に算定された価格」とされる。
「合理的に算定された価格」の算定にあたっては、①債権放棄や増資額などの金融支援の十分性、②債務者の再建計画の実行可能性、③優先株か否かなどの株式の条件、等を考慮のうえ、「金融商品実務指針」の第54項による算定を行うものとされている。
第54項においては、合理的な価額の算定方法としてほ、以下のものがあげられている0①取引所等から公表されている類似の金融資産の市場価格に、利子率、満期日、信用リスクおよびその他の変動要因を調整する方法。
②対象金融資産から発生する将来キャッシュフローを割り引いて現在価値を算出する方法。
③一般に広く普及している理論値モデルまたはプライシングモデル(ブラック・ショールズモデル、二項モデル等)を使用する方法。
なお、時価を合理的に測定できない場合には、適切に算定されたDES笑行時の債権の時価を用いて取得株式の時価とすることも認められる。
また、債権者が取得する債務者の発行した株式の時価も合理的に算定できない場合においては、時価をゼロとして譲渡損益を計算するとされており、受入株式の計上額もゼロとされる。
(2)デット・エクイティ・スワップの税務:DESにおける税務上の問題点は、新株発行価額であり、これに関連して債務者側における債務免除益および債権者側における譲渡損失の計上がある。
DESにおける新株発行価額を決定するにあたっては、前述の評価額説と券面額説という2通りの解釈がある。
①評価額説・・・債権の時価に基づき新株が発行され、資本金あるいは資本準備金の増加額が債権者における株式取得価額となる。
評価額説における問題点は、債務者側において債務の時価に見合う新株が発行されることから、債務の券面額と時価との差額が債務免除益として計上されることである。
この場合、債務者側においては譲渡損失が計上されることになる。
②券面額説:債権の券面額に基づき新株が発行されるので、債務者および債権者においては評価額説に基づく処理のように損益が生じない0なお、法人税基本通達14(債権の弁済に代えて取得した新株又は出資の取得価額)に会社更生手続におけるDESの取扱いが規定されている。
当該通達は会社更生手続における規定であり、会社更生以外の企業再生において適用が可能か不明であるが、解釈の参考になるものと考えられる。
また、平成13年3月25日発行の商事法務に、東京地裁の判事がデット・エクイティ・スワップの解釈に関する記事を掲載している。
従来、説価額説に基づいた解釈を行っていたが、券面辛説の採用も認めるとの内容である。
a法人税通達における取扱い:通達においては、債権者である法人が債務の弁済に代えて新株を取得した場合の価額は、取得をした時における価額とすることができるとされており、すなわち、時価により取得したものと理解できる。
デット・エクイティ・スワップを現物出資とする見方では、株式の取得価額はその株式の取得により消滅することとなる債権額となるが、代物弁済とする見方では、その取得価額はその取得の時の価額となる。
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